望郷

制作年:1959

技法材料:油彩・キャンバス

サイズ(号):50F

古代ギリシャの神殿のような遺跡の前にたたずむ女性。日本国際美術展で一般入場者の投票による「大衆賞」を受賞した作品です。

「青児美人」とうたわれた甘美な女性と抒情性が「通俗」とも呼ばれましたが、好き嫌いは別にして、記憶に残る「東郷様式」の代表作です。

背景の遺跡は、大衆が美術全集に親しむようになった1930年代半ばから、東郷のレパートリーに加わりました。
郷愁は、フランスに7年間滞在した20歳代から続く東郷のメインテーマのひとつです。《望郷》の発表は東京タワー完成の翌年。

景色が劇的に変わる経済成長のただ中にいた人々の心には、東郷の描く甘い感傷がしみたのかもしれません。